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【2021年度最新版】葛根湯もドーピング!?うっかりドーピングに注意!

読者

葛根湯がドーピング検査に引っ掛かるって本当?

読者

ドーピングに引っ掛かるかどうかって、どうやって調べたらいいの?

こんな方に向けた記事です。

JBBFなどのドーピング検査がある団体で競技をされている方は、『うっかりドーピング』という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

この記事ではドーピングに引っ掛かる禁止物質が含まれる可能性がある製品の調べ方など、うっかりドーピングについてをわかりやすく解説します。

うっかりドーピングとは

ドーピングとは競技力を高める為に薬物などを使用したり、それらの使用を隠したりする行為のことを指します。どの薬物・成分がドーピング対象となるかは、世界アンチドーピング機構(通称:WADA)によって規定されています。

ドーピングというと、アナボリックステロイドといった筋肉増強剤のイメージが強いかと思いますが、かぜ薬などに含まれる成分や漢方などといった身近なものにもドーピング対象となる禁止物質が含まれています。

禁止物質が入っているのを知らずに薬やサプリメントをとり、本人の意図しない形で禁止物質を摂取してしまうことを『うっかりドーピング』といいます。

読者

でも、知らなかったんなら仕方ないんじゃないの?

アンチ・ドーピング規則では、「知らなかった」「わざとじゃない」は通用しません。禁止物質が体内から検出されれば、いかなる理由があったとしてもドーピング違反となります。それがたとえ治療のための摂取でも問答無用です。

要注意ジャンル

以下のジャンルのものは、禁止物質が含まれている可能性があるので注意が必要です。

  • 総合感冒薬(総合かぜ薬)
  • 漢方薬
  • のど飴
  • 海外製サプリメント
  • etc…

すべてに禁止物質が含まれている訳ではありませんが、これらのジャンルの製品を使用する場合は成分に十分注意する必要があります。それぞれのジャンルについて、どんな禁止物質が含まれているのか、どの製品がアウトなのか解説していきます。

総合かぜ薬

ドラッグストアでも多く販売されている総合かぜ薬ですが、禁止物質である『エフェドリン』や『麻黄(マオウ)』などを含んでいることが多いです。

CMなどでお馴染みの『ベンザブロック』や『改源』なども禁止物質を含んでいます。

『禁止物質を含む=体に悪い』というわけではありませんが、アンチドーピング規定上では摂取すると規定違反となってしまいます。

漢方薬

漢方薬は自然由来のものであることから、ドーピングとは無関係と考えてしまいがちですが、漢方薬にも禁止物質を含むものがあります。

特に風邪を引いたときなどに使うことも多い、『葛根湯(カッコントウ)』も禁止物質を含んでいます。

漢方薬を使用する際は、その種類に注意しましょう。

のど飴

意外なドーピング要注意製品が、のど飴です。

のど飴といっても特に注意が必要なのが、浅田飴の『固形浅田飴シリーズ』です。

『固形浅田飴シリーズ』には麻黄(マオウ)という漢方が使用されており、この麻黄には禁止物質である『エフェドリン』が含まれています。

こういった、漢方や生薬が配合されているのど飴には注意しましょう。

海外製サプリメント

海外製サプリメントには禁止物質が含まれている製品が数多く存在します。

成分表に禁止物質が明記されているならまだしも、成分表に記載がない禁止物質が検出されるケースも少なくありません。

有名な事例でいえば、GASPARI社の『ANAVITE』が挙げられます。

ANAVITEは過去に、蛋白同化ステロイド薬である 『1-アンドロステンジオン』が検出されており、『汚染製品』として認められています。この『1-アンドロステンジオン』はステロイドの一種であり、当然成分表にも記載されていません。

成分表に書いていない禁止物質を摂取してしまい、それがドーピング検査で検出されたとしても本人の責任となり、ドーピング違反となります。

こういったトラブルがあった場合、国内製品であれば法的な対応が可能かもしれませんが、海外企業相手だとそうもいきません。

有名な選手が愛用しているからといって安全な製品とは限りません。

ドーピング検査のある団体の選手は、海外製品には極力手を出さず、国内製品で統一しておくことをお勧めします。

ハイリスク製品リスト(一部)

パッケージ 商品名 メーカー 含まれる禁止物質
Impact Igniter AllMax Nutrition 禁止物質であるヒゲナミンを含む
HYDE Pro Supps オクトパミン塩酸塩が含まれている表記あり
1.M.R Vortex BPI Sports 過去にオキシロフィンが検出
ANAVITE GASPARI 過去に1-アンドロステンジオンが検出
PLASMAJET GASPARI 過去にフェンプロメタミン、ヒゲナミン、
ジメチルフェネチルアミン
が検出

Supplement411から抜粋

管理人

GASPARI社はかなり常習犯のようです…

禁止物質の調べ方

禁止物質やハイリスクなサプリメントの調べ方について解説します。

今回は「禁止物質・薬品」と「ハイリスクなサプリメント」の調べ方についてご紹介します。

禁止物質・薬品の調べ方

禁止物質については、世界アンチドーピング機構が発行している『禁止表国際基準』の資料に記載されています。

2021禁止法国際基準

特定の薬品に禁止物質が含まれているかどうかは、『Global DRO』というサイトで検索することができます。

Global DRO

Global DRO 検索手順
  1. Global DROにアクセスし検索画面を開く。
  2. 各項目をプルダウンで選択。検索欄に検索したい薬品名や物質名を入力し、「検索」をタップ。
  3. 「条件及び条項」の確認画面が表示されるので、「同意」をタップ。
  4. 検索結果が表示される。
  5. 名称をクリックすると、その製品のステータスが表示される。下図のように「禁止されない」と表示されていればドーピング非対象。
  6. ドーピング対象となる場合は、下図のように「禁止」と表示される。

また、日本スポーツ協会が使用可能な薬品をまとめた資料もありますのでこちらも参考にしてください。

アンチ・ドーピング使用可能薬リスト

ハイリスクなサプリメントの調べ方

禁止物質を含むサプリメントや、過去に禁止物質が検出されたことがあるサプリメントはUSADA(WADAのアメリカ版)の『Supplement411』というページで検索することができます。

USADA

ただし、このサイトに載っていないからといって、そのサプリメントの安全を保障するものではありませんのでご注意ください。

Supplement411 検索手順
  1. USADAにアクセスし、ページ中央あたりにある「VIEW THE HIGH RISK LIST」をタップ。
  2. アカウント作成の必要があるので、「Create Account」をタップ。(アカウント作成は無料です)
  3. 「メールアドレス」「ユーザーネーム」「パスワード」「パスワード確認」を入力したら「Create Account」をタップ。
  4. 確認画面が表示されたら「Yes」をタップ。
  5. 先ほど登録した「ユーザーネーム」と「パスワード」を入力し、「Sign In」をタップ。
  6. トップ画面が表示されるので、「High-Risk List」をタップ。
  7. サプリメントのハイリスクリストが表示される。

まとめ

うっかりドーピングについて解説してきましたが、意外と知らなかった情報も多かったのではないでしょうか。

身近な製品がドーピングに引っ掛かる可能性があることを知って、ゾッとされた方も多いかと思います。

自分の意図しない形で禁止物質を摂取してしまい、せっかくの努力が水の泡となり、ドーピング違反者の烙印を押されるという最悪の事態を避けるためにも、この記事を参考にしていただき、うっかりドーピングには十分注意しましょう。