ダイエット

【効果なし】雰囲気だけでやってない?グルテンフリーダイエットの真実と嘘

読者

グルテンフリーって身体に良いイメージがあるけど実際どうなの?

読者

グルテンフリーダイエットは意味ないって聞いたけど本当?

こんな方に向けた記事です。

結論からいうと、グルテンフリーダイエットは小麦アレルギーもしくはセリアック病の人にしか効果がありません。また、ダイエット(減量)への効果も科学的に証明されていません。

多くの人が勘違いしているグルテンフリーダイエット。

今回はなぜグルテンフリーダイエットがほとんどの人に効果がないのか、どういった背景でグルテンフリーダイエットが世間に広まったのかをわかりやすく解説していきます。

グルテンフリーダイエットとは?

グルテンフリーダイエットとは、小麦に含まれる『グルテン』を避ける食事法のこと。

グルテンとは、小麦に含まれる2種類のたんぱく質(グルテニンとグリアジン)が絡み合ってできたものです。小麦粉に水を加えてこねることでグルテンが生成されます。

パンなどの小麦製品にはもちもちとした食感がありますが、あのもちもち感を生み出しているのがグルテンです。

パンや麺類の小麦製品はもちろん、クッキーやケーキといったお菓子、カレーやハンバーグといった調理に小麦が使用されている食品にもグルテンは含まれています。

このグルテンが体の不調を引き起こすとされていますが、これは大きな誤解であり、グルテンで体調が悪くなるのは一部の疾患を持っている人だけです。詳しくは後々解説します。

グルテンフリーダイエットが流行った背景

グルテンフリーダイエットは主に海外セレブの発信により世の中に広まりました。有名どころでいえば、プロテニスプレーヤーのジョコビッチ選手やモデルのミランダカーなどが取り入れたとして有名になりました。

中でもジョコビッチ選手は、グルテンフリーダイエットを取り入れてから体調が非常に良くなったとして、書籍まで出版するほどグルテンフリーダイエットを推奨しています。世界トップのスポーツ選手が推奨する食事法ということで、世界中に一気に浸透しました。

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特定の疾患をもつ人にしか効果はない

世界トップのプロテニスプレーヤージョコビッチ選手も推奨する食事法ですが、実は特定の疾患を持っている方にしか効果はありません。

その特定の疾患というのが、小麦アレルギーやセリアック病です。

セリアック病とは
グルテンに対して腸で過剰な免疫反応を起こしてしまう自己免疫疾患。グルテンを摂取することで小腸の壁に炎症を起こしてしまう。炎症が起こることで消化吸収を阻害してしまい、必要な栄養を吸収できず体調が悪くなってしまう。

ジョコビッチ選手本人はグルテンに対してアレルギーがあったそうです。グルテンに異常反応を起こしてしまう体質だったからこそ、グルテンフリーダイエットで体の調子が良くなったのです。

これを、小麦に対してアレルギーがない人が実践しても効果が見込めないことは容易に想像がつきます。

また、アメリカを中心にグルテンフリーダイエットが流行った背景のひとつに、「アメリカ人はセリアック病の人が多い」ということが挙げられます。

アメリカでは100人に1人がセリアック病であると言われています。グルテンフリーダイエットの効果を実感する人が多かったというのも、アメリカでグルテンフリーダイエットが加速した理由です。

これに対して、日本人でセリアック病の人はほとんどいないとされています。(諸説ありますが0.05%ほどといわれています)

これらのことから、アメリカ人と比べると、グルテンフリーダイエットの効果を得られる日本人はごくわずかであると言えます。

ダイエット法ではなく『食事法』

そもそもグルテンフリーダイエットは、セリアック病などの治療法として確立された食事法です。

小麦やグルテンを摂取しても問題ない人が、グルテンフリーダイエットを実践しても何の効果もありません。卵アレルギーじゃない人が卵を抜いた食事をするようなものです。

また、グルテンフリーダイエットのダイエット(減量)への効果は科学的に証明されていません。

小麦(グルテン)を含む食材は調理の過程で、バターやオイル類などの脂質分が添加されることが多い(パン、洋菓子、パスタなど)ので、グルテンフリーにして痩せたと言っている人は、グルテンを含む食材を避けた結果、図らずも摂取カロリーが下がって痩せただけの可能性が高いです。

グルテンを摂らなくなったことが、体重が落ちたことに直接つながったわけではありません。

痩せたいならまずはカロリー管理から!

セリアック病でない人がグルテンフリーダイエットを実践すると、健康被害が出る可能性があるとの論文も出ています。(Long term gluten consumption in adults without celiac disease and risk of coronary heart disease: prospective cohort study

グルテンが含まれる食品は非常に多く、下手に避けすぎると食べられるものが限られてくるので栄養に偏りが生じる恐れもあります。

小麦などの穀物にはグルテン以外にもビタミンやミネラル、腸内環境を良くする餌のような成分も入っているので、グルテンを含む食材をすべて避けてしまうと別の疾患が生まれる可能性も否定できません。

また、グルテンを含むものは美味しいものも多いので、ダイエットの大敵であるストレスを溜める原因になる可能性もあります。

痩せる太るを決める一番の土台はカロリー収支です。

カロリー収支の管理ができたうえで、何を食べるのか、どのタイミングで食べるのかを工夫していくことが、健康的かつストレスフリーなダイエットに繋がります。

具体的な食事管理方法はこちら

「○○ダイエット」「○○するだけ」という食事法は基本的に効果が薄いものばかりです。

何かを食べるだけ、何かを食べないだけ、そんな単純に痩せれるのであれば誰も苦労はしません。健康的にダイエットしたいのであれば、正攻法であるカロリー収支の管理から始めましょう。

まとめ

グルテンフリーダイエットは小麦アレルギーやセリアック病を患っている方には効果的な食事法です。小麦製品を食べるとなんとなく体調が優れないことが多い方は一度試してみる価値はあると思います。

しかし、こういった症状のないほとんどの日本人にとって、グルテンフリーダイエットは効果のない食事法です。グルテンを控えることで栄養の偏りが生じたり、ストレスを溜めてしまったりして、体調を崩してしまっては本末転倒です。

「おしゃれだから」「海外では当たり前」「芸能人が実践している」、こういった理由で特殊な食事法を日常に取り入れるのはおすすめしません。

グルテンフリーダイエットに限らず、特殊な食事法を実践するときは、自分自身でよく調べ、本当に自分にとって必要なものなのかを見極めることが肝要です。

そういった食事選択に、この記事が少しでも参考になれば幸いです。